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寿司屋は簡単?

2023/03/09

みなさんこんにちは。

今日は大阪市議会の予算委員会で質疑に立たせて頂きました。

特別養護老人ホームの整備状況や、公衆浴場への支援、そして予防医療の取り組みと議論を進めさせていただいたのですが、今回その中でも最も力を入れて論点を掘り下げたのが「広報・啓発」に関する予算です。

大阪市の福祉行政は長い歴史の中で本当にさまざまな施策を行なっています。住民の方のお困りごとにも、調べていけばほぼ必ずと言っていいほど対応する窓口があり、受け皿が用意されています。

ただ、広報が上手く機能せず、そうした施策をやっていることがほとんど市民の方に知られていないために、あまり利用されていないものも多くあります。私自身も議員活動の中で「本来もっと早く相談につながっていれば深刻な事態になる前に問題を解決できたかもしれない」というご相談を受けることも多々あります。

さらに「健康診断を受けましょう」といった啓発については、情報としては知っているけど、そのメリットや必要性が伝わっていないため結果として受診という「行動」に結びついていないという実態もあります。

過去の議事録を検索すると、議会側からの「今後、広報・啓発に努めて頂きたい」という指摘が山のように出てきます。その度に局は「努めてまいります」と答弁しているのですが……

そこで、今回の予算市会では、そもそも行政の広報・啓発はどのように行われているのかを掘り下げました。結論から言えば、これまでの広報・啓発はそれぞれの施策の担当者が自分で考えてチラシを作り、広め方も担当課で考えて行なっているという事が確認できました。

その結果、例えば福祉サービスではサービスを行う事業者側に向けたチラシが一般市民向けの区政だよりに載せられていたり、動画をアップしたは良いけど拡散の方法までは分からず再生回数が数十回で終わっているものが散見されたりします。

「あぁもったいない」という事で、今回は広報・啓発はプロに任せたらどうですか?ということを議論させて頂きました。私自身、百貨店に勤めていたことから、人にものを伝え、行動してもらうということがいかに大変かということを身に染みて経験しています。

マーケティングや広報は、ご存知の通りその分野だけでもいくつもの大企業があり、その分野に命をかけてしのぎを削るプロ達がいます。

福祉政策の担当課のみなさんが、本業の延長線上で頑張って成果が得られるような簡単な世界ではないということを指摘し、しっかりとしたマーケティングの知識や広報のスキルがある方に業務委託なり出向なりできちんと伴走してもらえるように検討を進めてもらっています。

変な話、お寿司屋さんに行った人が、「コメを握って切り身を乗せるなら、自分でもできるだろう」と考えるのと同じで、雛形に文字だけ落とし込めばチラシ(の体裁のもの)は作れますし、市のホームページや区役所のチラシの棚にそれらを掲載すれば広報(したような気になること)はできますが、その結果が現在の「誰も知らない福祉」につながっているということを直視して、今後やり方を根本から変えてもらえるよう議論を進めていきます。

議会の録画はこちら

https://smart.discussvision.net/smart/tenant/city-osaka/WebView/rd/result.html?keyword=%E6%B0%91%E7%94%9F%E4%BF%9D%E5%81%A5%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%E3%80%80%E8%97%A4%E7%94%B0%E3%81%82%E3%81%8D%E3%82%89